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創業明治二十九年、一級印章彫刻技能士による象牙の開運象牙印鑑

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象牙について

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象牙の魅力と特性:象牙はあらゆる印材の中で最高の印材です

象牙はダイヤモンドにかわる財産といわれ、古来からさまざまな用途に重宝されてきました。その美しさだけでなく、地上で最大最強、長寿である象の牙は魔よけの守護、繁栄のシンボルとしても尊ばれてきました。健康長寿、財運招来、夫婦和合、家門反映を招く縁起のよいものとして人々の身にまとわれてきました。

象牙は細かい彫刻に適した硬さと粘りを持ち、磨滅しにくい性質を持ちます。長年使っても狂いが生じないので、ピアノの鍵盤やビリヤードの玉、三味線のバチなどにも使われています。正倉院の御物の中に象牙のものさしがあるのも、その不変性を知っていたからでしょう。

象牙を印材として用いる場合、朱肉のつきがよく、捺印のときは軽い弾力と粘着力が感じられ、鮮明な印影が生み出されます。印材としての長所だけでなく、使う人の社会的地位や信用度が高く評価され、それが心理的安定感を与え、生命力を高めてくれます。さらに、象牙印は使えば使うほど色調が鮮やかになり、味が出てきます。

象牙の印鑑

象牙の歴史:千年以上の歴史を持つ象牙文化

象牙は、古代から人々の暮らしと密接に関わってきた素材です。その美しい光沢と耐久性、そして加工のしやすさから、世界各地で長い歴史を築いてきました。

古代文明と象牙

象牙の歴史は古代エジプトやメソポタミア文明にまで遡ります。装飾品や宗教儀式の道具として象牙は珍重され、王族や神官たちが権力や富の象徴として使用していました。紀元前から「高貴な素材」として扱われ、神聖視される存在でもあったのです。

日本における象牙の歴史

日本でも奈良時代には象牙が伝わり、正倉院には象牙を使った工芸品(紅牙撥鏤尺など)が今も残されています。平安時代以降は、書道具や装飾品として愛用され、江戸時代になると印鑑(身分の高い人々が用いた)や根付など実用品へと広がっていきました。象牙の滑らかな質感は、細工師の高度な技術と結びつき、日本独自の工芸文化を発展させました。

ゾウのイラスト

近代の象牙文化

明治から昭和初期にかけて、象牙は「高級印鑑の素材」として定着しました。特に会社設立や結婚など人生の節目に用いられる実印・銀行印には、縁起の良い象牙が好まれ、高級印材の代名詞となっていきます。この時代、象牙の印鑑は一生ものとして代々受け継がれることも多く、格式や信頼の象徴とされてきました。

象牙の歴史と現代の位置づけ

現在ではワシントン条約により象牙の輸入・取引が規制されていますが、歴史的・文化的価値を持つ素材として、その魅力は失われていません。日本では古くから「長寿」や「繁栄」の象徴とされ、伝統的な工芸品や印鑑の素材として今も特別な地位を保っています。

象牙の現状と法規制:取扱いが出来るのは国が公認した象牙印鑑取扱店のみです

象牙は1989年のワシントン条約により輸入禁止となっていましたが、1999年3月、一部輸入が解禁となりました。象牙の在庫は国内に十分にあるのですが、取扱いができるのは経済産業省登録の象牙製品取扱業専門店のみです。法律上取引の許可された印材に標章(経済産業省・環境省発行のシール)を発行して現在も商取引数を管理・制限しています。

日本でも種の保存法によって象牙取引は禁止されていますが、標章のシールが添付されている象牙印材だけは正規輸入品として扱うことが可能です。

紀州印工房「法人名(合)中尾明文堂」は特別国際種事業者(象牙製品等を取り扱う事業者)経済産業省 経済産業省認定事業者番号 第05299号を取得しておりますので、安心して象牙印鑑をご購入いただけます。

象牙はワシントン条約により、世界中で規制がありますが、日本では経済産業省・環境省のもとで事業者を認定し流通管理を行っているため、象牙の購入が可能となっております。

※象牙印材は海外への持ち出しは禁止されています。

ワシントン条約とは

ワシントン条約とは、絶滅の危機にある動植物を守るために国際取引を規制する条約です。1989年にアフリカゾウが対象となり、象牙の国際取引は原則禁止となりました。日本でも輸入は禁止されており、現在流通している象牙は、過去に合法的に輸入・登録された正規在庫のみです。印鑑に使われる象牙は、この厳格に管理されたものなので安心してご利用いただけます。

特別国際種事業者
種の保存法認定

安心の証 ― 象牙製品に付けられる政府認定シール

日本で販売されている象牙製品には、政府認定シール が付けられています。これは「種の保存法」に基づき、環境省・経済産業省が管理する制度で、正規に登録された業者だけが取り扱える証明です。
象牙はワシントン条約により新たな輸入が禁止されているため、国内で流通するものはすべて厳格に管理されています。登録票や認定シールが貼付された製品は、合法的に流通していることを示し、違法品と区別する役割を持ちます。当店の象牙印鑑もすべて正規に登録された材料を使用し、製品にはこの認定シールが添付されますので、安心してご購入いただけます。

象牙の種類とランク:中心に近いほど目が細かく美しく、強度も上がります

象牙は材木と同じように縞目があります。これは外側ほど粗く、中心部に近づくほど細かくなり、材質的にも中心部に近いほど緻密で堅牢です。従って、象牙印材とはいっても採られた場所によって価格が異なります。

「特選象牙」は象牙の外側に近い「表皮層」とよばれる部分から採られた印材です。目が中心や中間の部分に比べて粗く、強度も若干劣りますが見るからに目の粗いものや変色を起こしたような印材は使わずに可能な限り良質な印材を使っています。

「極上象牙」は象牙の芯に近い部分、「中心層」とよばれる部分から採られた印材です。 中心層から採れる象牙は特に目が細かく良質の印材です。象牙が持つ強度と目の細かさ、美しさを存分に味わって頂けます。

象牙の断面図
象牙の比較

象牙印材には、さらに希少な印材も存在します。当店では、象牙印材を【特選】【極上】と外周から中心に近づくにつれて2つのランクに分けておりますが、「芯持ち象牙」はその中でも最も中心に近く、極上以上で最高級の位置づけとなります。

「芯持ち象牙」は、象牙印材の中でも特に希少で高級な部位を使用した逸品です。一本の象牙からわずか1〜2本ほどしか取れず、象牙の中心部――真芯のみを使って仕立てられます。

芯持ち象牙印鑑→

象牙印鑑の価格:希少性とランクで変わる、象牙印鑑の価値

象牙印鑑の価格は、使用される象牙の質やランク、大きさによって大きく変わります。当店では以下のような価格帯となっております。

特選クラス(外周部分)

2万円台~7万円前後

比較的お求めやすい価格帯です。日常使いの認印や銀行印に人気があります。

極上クラス(芯に近い部分)

4万円~12万円程度

きめが細かく耐久性も高いグレードです。実印や銀行印として一生ものを求める方に選ばれています。

芯持ち(真芯部分)

9万円~14万円以上

象牙の中でも最高級。美しい光沢と抜群の耐久性を誇ります。格式を重んじる方や特別な贈答品として最適です。

象牙のメリットとデメリット:高価だが、一生ものにふさわしい耐久性と品格

象牙印鑑のメリット

  • 1.優れた耐久性象牙はきめが細かく緻密なため、摩耗や変形に強く、長期間使用しても印影が崩れにくい特性があります。一生ものとして安心してお使いいただけます。
  • 2.美しい押印性象牙の硬さと粘りのバランスが絶妙で、朱肉のノリが良く、鮮明で力強い印影を得られます。大切な契約や銀行手続きにふさわしい品格を備えています。
  • 3.高級感と格式古来より「長寿」「繁栄」の象徴とされてきた象牙は、印材の中でも特に格が高いとされます。就職や独立、会社設立、結婚など人生の節目に選ばれることが多く、贈り物にも最適です。
  • 4.資産性・希少性ワシントン条約により新規輸入が制限されているため、現在流通している象牙はすべて希少価値の高い登録済みのもの。そのため、資産としての価値も持ち合わせています。

象牙印鑑のデメリット

  • 1.価格が高め今は手頃に入手できる素材ではないので、他の印材(黒水牛・白水牛・柘植など)に比べると高額になります。
  • 2.入手の制限国際的な規制により輸入が禁止されており、日本国内でも登録制度のもとで厳格に管理されています。信頼できる販売店から購入する必要があります。
  • 3.直射日光・強い衝撃には注意が必要象牙は直射日光や強い衝撃には弱い一面があります。長持ちさせるには、専用ケースに入れて保管しましょう。

象牙印鑑の選び方:一生ものにふさわしい、最適な一本を選ぶために

象牙印鑑を購入する際に迷いやすいのが「どのサイズが良いのか」「どのランクを選べばいいのか」という点です。用途・サイズ・ランク別にわかりやすくご説明いたします。

【象牙印鑑】用途別の選び方

用途 特徴 おすすめサイズ(男性) おすすめサイズ(女性) 選びたいランク
実印 役所・契約・車の購入など
人生の重要な契約で使用
16.5mm以上 13.5mm以上 極上以上
銀行印 銀行口座開設や金融取引で
使用
15mm 12mm以上 特選以上
認印 日常的な書類確認や受領で
使用
12mm以上 10.5mm以上 特選~

【象牙印鑑】サイズ別の選び方

サイズ 主な用途 印象・特徴
10.5mm 認印(女性) 小ぶりでスマート。女性や日常的な認印に人気。
12mm 認印(男性)・認印(女性)・銀行印(女性) 日常使いに最も一般的。価格も手頃で、幅広い用途に対応。
13.5mm 銀行印・実印(女性) バランスが良く万能サイズ。女性の実印や銀行印に最も選ばれる。
15mm 実印(男性)・実印(女性)・銀行印(男性) 格式高く存在感がある。男性の実印や銀行印に定番。信頼性を重視する方におすすめ。
16.5mm 実印(男性)・銀行印(男性)・会社銀行印 男性の実印をより重厚にしたい方に人気。堂々とした印象。
18mm 実印(男性)・会社実印・会社銀行印 法人印の標準サイズ。重厚感と威厳を兼ね備え、会社の顔としてふさわしい大きさ。

【象牙印鑑】ランク別の選び方

ランク 特徴 価格帯 向いている用途
特選クラス 外周部分。比較的リーズナブル 2万~7万円前後 認印・日常用
極上クラス 中心に近く、きめ細かく耐久性が高い 4万~12万円前後 実印・銀行印
芯持ちクラス 真芯部分で、光沢・耐久性ともに最高級 9万~14万円以上 実印・会社印・贈答品

象牙印鑑選びのポイントまとめ

・用途に合った印鑑を選ぶ(実印は上級ランク、銀行印は鮮明さ重視、認印は実用重視)
・サイズは大きいほど信頼感が増す(実印や会社印は大きめ推奨)
・ランクは中心に近いほど品質が高い(特選は手頃。極上・芯持ちは一生ものに最適)
・縁起と格式を大切に(贈答や法人設立などの節目にふさわしい)

象牙のお手入れ方法:落下・直射日光を避け、専用ケースで保管しましょう

象牙は大変強く耐久性がある素材です。正しいお手入れをすることでさらに美しさと耐久性を保つことが可能です。

❶ 使用後は柔らかい布で拭く

捺印後は朱肉や皮脂が表面に残りやすいため、柔らかい布やティッシュで軽く拭き取ってください。これだけでも変色や劣化を防げます。

❷ 強い衝撃は避ける

象牙は湿気に弱く、カビやひび割れの原因になります。濡れた手で触らず、水洗いもしないようにしましょう。万一濡れた場合はすぐに乾いた布で拭き取ってください。

メンテナンス
メンテナンス

❸ 直射日光を避ける

保管場所は直射日光の当たらない涼しい場所を選びましょう。

❹ 専用ケースで保管する

印鑑ケースに入れて保管することで、乾燥や湿気の急激な変化を防ぎ、傷や汚れから守ることができます。

❺ 定期的に乾拭きする

長期間使わない場合でも、数か月に一度は柔らかい布で乾拭きをすると、艶を保ちながら劣化を防げます。

象牙よくあるご質問Q&A:安心して選んでいただくために

Q1.象牙印鑑の価格はどのくらいですか?
ランクやサイズによって異なります。認印向きの【特選】は2~7万円前後、実印や銀行印に人気の【極上】は4~12万円前後、最高級の【芯持ち】は9万円~14万円以上が目安です。
Q2.象牙印鑑は一生使えますか?
象牙は天然素材の中でも非常に緻密で強度が高く、適切に扱えば一生ものとしてご愛用いただけます。
象牙は目が細かく硬さと粘りを兼ね備えているため、長期間使用しても印面が摩耗しにくく、鮮明な印影を保ち続けられるのが特徴です。そのため「一生使える印材」として、古来より実印や会社印に選ばれてきました。
実際に、数十年使い続けても印影が崩れない象牙印鑑は多く、親から子へ受け継がれることもあります。まさに「一生ものの財産」として安心してお選びいただける素材です。
Q3.他の素材(黒水牛や柘植など)と比べて何が違いますか?
黒水牛は硬さがあり人気ですが、乾燥に弱く長期使用で反りやひびが出ることがあります。柘植は価格が手頃で軽く扱いやすいものの、摩耗しやすく印影がかすれやすい傾向があります。
一方、象牙は非常に緻密で耐久性が高く、朱肉のノリも均一で鮮明な印影を残せます。高級感や縁起の良さも兼ね備えており、「一生もの」として安心して選ばれる素材です。
Q4.象牙印鑑は法律的に問題ありませんか?
現在、ワシントン条約によって新たな象牙の国際取引は原則禁止されています。そのため海外からの輸入はできませんが、日本国内ではすでに流通している在庫を対象に、「種の保存法」 に基づいた厳格な登録・管理制度が整えられています。
象牙製品を正規に販売するには、環境省や経済産業省に登録された業者であることが必要です。また、適正な方法で入手した象牙製品にはシール(標章)が付属し、合法的に流通していることを示しています。
当店で取り扱う象牙印鑑はすべて正規に登録されたものですので、安心してお選びいただけます。
Q5.象牙印鑑におすすめのサイズは?
個人実印は男性が16.5mm以上、女性が13.5mm以上、銀行印は男性が15mm、女性が12mm以上、認印は男性が12mm以上、女性が10.5mm以上が目安です。会社実印は21mm、会社銀行印は18mm、会社角印は24mm前後が一般的です。
Q6.手入れは必要ですか?
はい。長く美しさを保つために、直射日光を避けて専用ケースで保管してください。また、使い終わったら印面をきれいに拭いてください。
Q7.象牙は割れたり欠けたりしませんか?
象牙は非常に硬く耐久性がありますが、強い衝撃によっては割れる可能性があります。
Q8.象牙印鑑は贈り物にできますか?
はい。高級感と縁起の良さを兼ね備えているため、ご子息やご友人への贈答、記念品として大変喜ばれます。
Q9.象牙印鑑の納期はどれくらいですか?
ご注文から通常2週間程度で完成いたします。急ぎの場合はご相談ください。
Q10.象牙の模様に違いはありますか?
象牙には象牙特有の「モヤ」と呼ばれる模様があり、1本ごとに風合いが異なります。この模様は菱形が連続したパターンで、光に透かすと格子状に見え、天然の象牙特有の証拠となります。本物の象牙はこの模様が不規則で、個体差があるため同じものはなく、贋作は均一で規則的な模様を持つことが多いです。

紀州印工房の開運象牙印鑑について

紀州印工房は、和歌山県有田市に店を構え、高野山や熊野三山、熊野古道といった霊的な聖地を背景に、一級印章彫刻技能士・上野山有徳が店主を務める印判専門店です。印面こそが印鑑の神髄との信念を持ち、印材や奇抜さに頼らず、技術と知識を凝縮した唯一無二の印鑑をすべて手仕上げでお届けします。

開運象牙印鑑は、中国古来の九星・五行・方位をもとに、姓名や生年月日から導かれる運気を読み解き、印相上の八方位に沿って彫刻を行います。 象牙は古来より高貴な素材とされ、持ち主の気を安定させ、長く運気を保つと信じられてきました。 当店では、厳選した象牙印材に、易学・気学・方位学・姓名学などを総合的に鑑定した結果を反映し、神社にてご祈祷・お祓いを受けた上で、一級技能士が一本ずつ念を込めてお彫りします。

お買い物ガイド

開運象牙印鑑、金文調書体の印鑑のご注文についてのご案内です。ご不明な点がございましたら、下記までお気軽にお問い合わせ下さい。

お電話でのお問い合わせ、FAXでのお問い合わせ、メールでのお問い合わせ

象牙について

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1.象牙の魅力と特性

象牙の印鑑

象牙はダイヤモンドにかわる財産といわれ、古来からさまざまな用途に重宝されてきました。その美しさだけでなく、地上で最大最強、長寿である象の牙は魔よけの守護、繁栄のシンボルとしても尊ばれてきました。健康長寿、財運招来、夫婦和合、家門反映を招く縁起のよいものとして人々の身にまとわれてきました。

象牙は細かい彫刻に適した硬さと粘りを持ち、磨滅しにくい性質を持ちます。長年使っても狂いが生じないので、ピアノの鍵盤やビリヤードの玉、三味線のバチなどにも使われています。正倉院の御物の中に象牙のものさしがあるのも、その不変性を知っていたからでしょう。

象牙を印材として用いる場合、朱肉のつきがよく、捺印のときは軽い弾力と粘着力が感じられ、鮮明な印影が生み出されます。印材としての長所だけでなく、使う人の社会的地位や信用度が高く評価され、それが心理的安定感を与え、生命力を高めてくれます。さらに、象牙印は使えば使うほど色調が鮮やかになり、味が出てきます。

2.象牙の歴史

象牙は、古代から人々の暮らしと密接に関わってきた素材です。その美しい光沢と耐久性、そして加工のしやすさから、世界各地で長い歴史を築いてきました。

ゾウのイラスト

古代文明と象牙

象牙の歴史は古代エジプトやメソポタミア文明にまで遡ります。装飾品や宗教儀式の道具として象牙は珍重され、王族や神官たちが権力や富の象徴として使用していました。紀元前から「高貴な素材」として扱われ、神聖視される存在でもあったのです。

日本における象牙の歴史

日本でも奈良時代には象牙が伝わり、正倉院には象牙を使った工芸品(紅牙撥鏤尺など)が今も残されています。平安時代以降は、書道具や装飾品として愛用され、江戸時代になると印鑑(身分の高い人々が用いた)や根付など実用品へと広がっていきました。象牙の滑らかな質感は、細工師の高度な技術と結びつき、日本独自の工芸文化を発展させました。

近代の象牙文化

明治から昭和初期にかけて、象牙は「高級印鑑の素材」として定着しました。特に会社設立や結婚など人生の節目に用いられる実印・銀行印には、縁起の良い象牙が好まれ、高級印材の代名詞となっていきます。この時代、象牙の印鑑は一生ものとして代々受け継がれることも多く、格式や信頼の象徴とされてきました。

象牙の歴史と現代の位置づけ

現在ではワシントン条約により象牙の輸入・取引が規制されていますが、歴史的・文化的価値を持つ素材として、その魅力は失われていません。日本では古くから「長寿」や「繁栄」の象徴とされ、伝統的な工芸品や印鑑の素材として今も特別な地位を保っています。

3.象牙の現状と法規制

象牙は1989年のワシントン条約により輸入禁止となっていましたが、1999年3月、一部輸入が解禁となりました。象牙の在庫は国内に十分にあるのですが、取扱いができるのは経済産業省登録の象牙製品取扱業専門店のみです。法律上取引の許可された印材に標章(経済産業省・環境省発行のシール)を発行して現在も商取引数を管理・制限しています。

日本でも種の保存法によって象牙取引は禁止されていますが、標章のシールが添付されている象牙印材だけは正規輸入品として扱うことが可能です。

ワシントン条約とは

ワシントン条約とは、絶滅の危機にある動植物を守るために国際取引を規制する条約です。1989年にアフリカゾウが対象となり、象牙の国際取引は原則禁止となりました。日本でも輸入は禁止されており、現在流通している象牙は、過去に合法的に輸入・登録された正規在庫のみです。印鑑に使われる象牙は、この厳格に管理されたものなので安心してご利用いただけます。

紀州印工房「法人名(合)中尾明文堂」は特別国際種事業者(象牙製品等を取り扱う事業者)経済産業省 経済産業省認定事業者番号 第05299号を取得しておりますので、安心して象牙印鑑をご購入いただけます。

特別国際種事業者

象牙はワシントン条約により、世界中で規制がありますが、日本では経済産業省・環境省のもとで事業者を認定し流通管理を行っているため、象牙の購入が可能となっております。

※象牙印材は海外への持ち出しは禁止されています。

種の保存法認定

安心の証 ― 象牙製品に付けられる政府認定シール

日本で販売されている象牙製品には、政府認定シール が付けられています。これは「種の保存法」に基づき、環境省・経済産業省が管理する制度で、正規に登録された業者だけが取り扱える証明です。
象牙はワシントン条約により新たな輸入が禁止されているため、国内で流通するものはすべて厳格に管理されています。登録票や認定シールが貼付された製品は、合法的に流通していることを示し、違法品と区別する役割を持ちます。当店の象牙印鑑もすべて正規に登録された材料を使用し、製品にはこの認定シールが添付されますので、安心してご購入いただけます。

4.象牙の種類とランク

象牙の断面図

象牙は材木と同じように縞目があります。これは外側ほど粗く、中心部に近づくほど細かくなり、材質的にも中心部に近いほど緻密で堅牢です。従って、象牙印材とはいっても採られた場所によって価格が異なります。

「特選象牙」は象牙の外側に近い「表皮層」とよばれる部分から採られた印材です。目が中心や中間の部分に比べて粗く、強度も若干劣りますが見るからに目の粗いものや変色を起こしたような印材は使わずに可能な限り良質な印材を使っています。

「極上象牙」は象牙の芯に近い部分、「中心層」とよばれる部分から採られた印材です。 中心層から採れる象牙は特に目が細かく良質の印材です。象牙が持つ強度と目の細かさ、美しさを存分に味わって頂けます。

象牙の比較

象牙印材には、さらに希少な印材も存在します。当店では、象牙印材を【特選】【極上】と外周から中心に近づくにつれて2つのランクに分けておりますが、「芯持ち象牙」はその中でも最も中心に近く、極上以上で最高級の位置づけとなります。

「芯持ち象牙」は、象牙印材の中でも特に希少で高級な部位を使用した逸品です。一本の象牙からわずか1〜2本ほどしか取れず、象牙の中心部――真芯のみを使って仕立てられます。

芯持ち象牙印鑑→

5.象牙のメリットとデメリット

象牙印鑑のメリット

  • 1.優れた耐久性象牙はきめが細かく緻密なため、摩耗や変形に強く、長期間使用しても印影が崩れにくい特性があります。一生ものとして安心してお使いいただけます。
  • 2.美しい押印性象牙の硬さと粘りのバランスが絶妙で、朱肉のノリが良く、鮮明で力強い印影を得られます。大切な契約や銀行手続きにふさわしい品格を備えています。
  • 3.高級感と格式古来より「長寿」「繁栄」の象徴とされてきた象牙は、印材の中でも特に格が高いとされます。就職や独立、会社設立、結婚など人生の節目に選ばれることが多く、贈り物にも最適です。
  • 4.資産性・希少性ワシントン条約により新規輸入が制限されているため、現在流通している象牙はすべて希少価値の高い登録済みのもの。そのため、資産としての価値も持ち合わせています。

象牙印鑑のデメリット

  • 1.価格が高め今は手頃に入手できる素材ではないので、他の印材(黒水牛・白水牛・柘植など)に比べると高額になります。
  • 2.入手の制限国際的な規制により輸入が禁止されており、日本国内でも登録制度のもとで厳格に管理されています。信頼できる販売店から購入する必要があります。
  • 3.直射日光・強い衝撃には注意が必要象牙は直射日光や強い衝撃には弱い一面があります。長持ちさせるには、専用ケースに入れて保管しましょう。

6.象牙印鑑の選び方

象牙印鑑を購入する際に迷いやすいのが「どのサイズが良いのか」「どのランクを選べばいいのか」という点です。用途・サイズ・ランク別にわかりやすくご説明いたします。

【象牙印鑑】用途別の選び方

用途 実印 銀行印 認印
特徴 役所・契約・車の購入など人生の重要な契約で使用 銀行口座開設や金融取引で使用 日常的な書類確認や受領で使用
おすすめ
サイズ
(男性)
16.5mm以上 15mm 12mm以上
おすすめ
サイズ
(女性)
13.5mm以上 12mm以上 10.5mm以上
選びたい
ランク
極上以上 特選以上 特選~

【象牙印鑑】ランク別の選び方

ランク 特選クラス 極上クラス 芯持ちクラス
特徴 外周部分。比較的リーズナブル 中心に近く、きめ細かく耐久性が高い 真芯部分で、光沢・耐久性ともに最高級
価格帯 2~7万円前後 4~12万円前後 9~14万円前後
向いている
用途
認印・日常用 実印・銀行印 実印・会社印・贈答品

【象牙印鑑】サイズ別の選び方

サイズ 主な用途 印象・特徴
10.5mm 認印(女性) 小ぶりでスマート。女性や日常的な認印に人気。
12mm 認印(男性)・認印(女性)・銀行印(女性) 日常使いに最も一般的。価格も手頃で、幅広い用途に対応。
13.5mm 銀行印・実印(女性) バランスが良く万能サイズ。女性の実印や銀行印に最も選ばれる。
15mm 実印(男性)・実印(女性)・銀行印(男性) 格式高く存在感がある。男性の実印や銀行印に定番。信頼性を重視する方におすすめ。
16.5mm 実印(男性)・銀行印(男性)・会社銀行印 男性の実印をより重厚にしたい方に人気。堂々とした印象。
18mm 実印(男性)・会社実印・会社銀行印 法人印の標準サイズ。重厚感と威厳を兼ね備え、会社の顔としてふさわしい大きさ。

象牙印鑑選びのポイントまとめ

・用途に合った印鑑を選ぶ(実印は上級ランク、銀行印は鮮明さ重視、認印は実用重視)
・サイズは大きいほど信頼感が増す(実印や会社印は大きめ推奨)
・ランクは中心に近いほど品質が高い(特選は手頃。極上・芯持ちは一生ものに最適)

7.象牙のお手入れ方法

象牙は大変強く耐久性がある素材です。正しいお手入れをすることでさらに美しさと耐久性を保つことが可能です。

❶ 使用後は柔らかい布で拭く

捺印後は朱肉や皮脂が表面に残りやすいため、柔らかい布やティッシュで軽く拭き取ってください。これだけでも変色や劣化を防げます。

メンテナンス

❷ 強い衝撃は避ける

象牙は湿気に弱く、カビやひび割れの原因になります。濡れた手で触らず、水洗いもしないようにしましょう。万一濡れた場合はすぐに乾いた布で拭き取ってください。

メンテナンス

❸ 直射日光を避ける

保管場所は直射日光の当たらない涼しい場所を選びましょう。

メンテナンス

❹ 専用ケースで保管する

印鑑ケースに入れて保管することで、乾燥や湿気の急激な変化を防ぎ、傷や汚れから守ることができます。

メンテナンス

❺ 定期的に乾拭きする

長期間使わない場合でも、数か月に一度は柔らかい布で乾拭きをすると、艶を保ちながら劣化を防げます。

8.象牙よくあるご質問Q&A

Q1.象牙印鑑の価格はどのくらいですか?
ランクやサイズによって異なります。認印向きの【特選】は2~7万円前後、実印や銀行印に人気の【極上】は4~12万円前後、最高級の【芯持ち】は9万円~14万円以上が目安です。
Q2.象牙印鑑は一生使えますか?
象牙は天然素材の中でも非常に緻密で強度が高く、適切に扱えば一生ものとしてご愛用いただけます。
象牙は目が細かく硬さと粘りを兼ね備えているため、長期間使用しても印面が摩耗しにくく、鮮明な印影を保ち続けられるのが特徴です。そのため「一生使える印材」として、古来より実印や会社印に選ばれてきました。
実際に、数十年使い続けても印影が崩れない象牙印鑑は多く、親から子へ受け継がれることもあります。まさに「一生ものの財産」として安心してお選びいただける素材です。
Q3.他の素材(黒水牛や柘植など)と比べて何が違いますか?
黒水牛は硬さがあり人気ですが、乾燥に弱く長期使用で反りやひびが出ることがあります。柘植は価格が手頃で軽く扱いやすいものの、摩耗しやすく印影がかすれやすい傾向があります。
一方、象牙は非常に緻密で耐久性が高く、朱肉のノリも均一で鮮明な印影を残せます。高級感や縁起の良さも兼ね備えており、「一生もの」として安心して選ばれる素材です。
Q4.象牙印鑑は法律的に問題ありませんか?
現在、ワシントン条約によって新たな象牙の国際取引は原則禁止されています。そのため海外からの輸入はできませんが、日本国内ではすでに流通している在庫を対象に、「種の保存法」 に基づいた厳格な登録・管理制度が整えられています。
象牙製品を正規に販売するには、環境省や経済産業省に登録された業者であることが必要です。また、適正な方法で入手した象牙製品にはシール(標章)が付属し、合法的に流通していることを示しています。
当店で取り扱う象牙印鑑はすべて正規に登録されたものですので、安心してお選びいただけます。
Q5.象牙印鑑におすすめのサイズは?
個人実印は男性が16.5mm以上、女性が13.5mm以上、銀行印は男性が15mm、女性が12mm以上、認印は男性が12mm以上、女性が10.5mm以上が目安です。会社実印は21mm、会社銀行印は18mm、会社角印は24mm前後が一般的です。
Q6.手入れは必要ですか?
はい。長く美しさを保つために、直射日光を避けて専用ケースで保管してください。また、使い終わったら印面をきれいに拭いてください。
Q7.象牙は割れたり欠けたりしませんか?
象牙は非常に硬く耐久性がありますが、強い衝撃によっては割れる可能性があります。
Q8.象牙印鑑は贈り物にできますか?
はい。高級感と縁起の良さを兼ね備えているため、ご子息やご友人への贈答、記念品として大変喜ばれます。
Q9.象牙印鑑の納期はどれくらいですか?
ご注文から通常2週間程度で完成いたします。急ぎの場合はご相談ください。
Q10.象牙の模様に違いはありますか?
象牙には象牙特有の「モヤ」と呼ばれる模様があり、1本ごとに風合いが異なります。この模様は菱形が連続したパターンで、光に透かすと格子状に見え、天然の象牙特有の証拠となります。本物の象牙はこの模様が不規則で、個体差があるため同じものはなく、贋作は均一で規則的な模様を持つことが多いです。

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